紅い花
雨が降って肌寒い
濡れた草花、大きくなってきた稲穂
緑のなかに鮮やかな赤い彼岸花がちらりほらり
その姿は群衆の中の美女か
あーー
彼岸花切りてえーーー
彼岸花はいい感じの棒でヒュッと茎を切るとスパッと切れてボトッと花が落ちる
その様は完全に敵の首を落としていく剣豪だった
あぜ道を走りながらスパッ!
振り向きざまにスパッ!
無駄に生えてきてキモいんじゃ!
スパッ
切り口舐めたら苦いんじゃ!
スパッ
彼岸って年に何回あるかわからんし、いつか曖昧なんじゃ!あほ!
スパッ
彼岸花好きそうな狐のお面とか花魁よろしく和風イラストかく女の前で
スパッ!スパッ!
ひぃぃ!私の大切なお花が…!
スパパパパパー!
やだ…カッコいい…
何年もやりたいと思ってきたが大人リミッターで抑えてきたこの想いがもう溢れそう
それは君に出会ったせいだ
当分やってないけど腕は衰えてないぜ?
はいー
とりあえず一週間分のお薬出しておきますね
僕はそれを受け取り病院を後にすると
いい感じの棒を探しに山へと向かうのであった